本人が任せてと言うので、俺たちは何もする必要がなかったのである。
無防備な状況を作り出すための囮、視界を奪う麻袋、毛剃り用具一式の準備。作戦失敗時の退却ルートに至るまで全て。
秋穂は細かいところまで気が回って有能だった。
もし俺と安男だけだったら、行き当たりばったりで行動して逃げられていたと思う。
そして決行の日。
「ちくしょう、俺が囮役かよ」
「アキオ、頑張ってね」
「出来るだけ保健室の奥のベッドまで逃げて。美子先生をドアに背中を向けた体勢にするのが目的だから忘れないでね」
「わ、分かってるよ」
男二人のどちらかが囮になって美子先生にわざと捕まる。
当然嫌に決まっているから、安男とジャンケンをして俺が負けたというわけだった。
「ぬ、脱がされる前に踏み込んでくれよな」
俺は何度目かの念押しをした。
正直、美子先生にオチンチンをしごかれて、射精せずに耐えきる自信がない。
「あたしたちもタイミングを逃さないようにするから、とにかく美子先生の注意を引きつけて。そこでしくじったら撤退しかないんだからさ」
「責任重大だよ」
「くそう、他人事だと思って……」
最悪、オチンチンをしごかれてバタ狂う姿を秋穂に見られると思うと、俺は心臓バクバクだった。
「もうすぐ美子先生が戻ってくる時間だよ」
「い、いよいよだな」
俺は深呼吸を一つして覚悟を決めた。
作戦の第一段階は、保健室近くの女子トイレから出てきた俺が、美子先生と鉢合わせするところから始まる。
「じゃ、作戦通りに」
秋穂と安男が素早く柱の陰に隠れた。そのまま廊下の監視を開始する。
俺は無人の女子トイレに佇んでポケットの中でスマホを握り、秋穂からの合図を待った。
緊迫のひととき。
やがて、マナーモードに設定したスマホが小刻みに振動した。
おそらく数分と経っていないはずだ。
もう何とでもなれ。
俺は何食わぬ顔で女子トイレを出た。
すると目の前に美子先生が。
「うわっ」
俺は大げさに驚いて逃げようとした。
女子トイレ覗きの現行犯だ。お仕置き必至の案件である。
「こ、こらっ! 待ちなさいっ!」
ガッチリと手首をつかまれ、保健室に連行される俺。
作戦通りとは言え、情けない展開に泣きたくなった。
「そこに座りなさい」
「い、嫌だっ」
手前のベッドを指差す美子先生に抗い、渾身の力で奥に向かう。
「キミ、二回指導した子だよね。まったく懲りないんだから」
「このスケベ教師っ」
アレのどこが指導だ。俺のオチンチンを無理矢理しごきまくって、射精させて楽しんだだけじゃないか。
「キミのような男子は抜いてやるのが手っ取り早いの。それともクセになっちゃった?」
「ば、馬鹿言うなぁっ」
ズルズルと美子先生を引きずるように前進する。
横目で入口ドアを確認すると、閉まった状態だけど鍵はかけられていなかった。
前回と同じだ。
安男たちは……廊下に面した窓の隙間に目が四つ見えたので、たぶんそうだろう。
突入のタイミングを計っているはずだ。
あと数歩。
俺は何とか奥のベッドのフレームをつかむことに成功した。
「逃がすわけないじゃないの」
たちまち背後をとられてベッドに横倒しに転がされる。
「うわぁぁぁ」
カチャカチャとベルトを外される音が聞こえた。
この時点で俺は美子先生の逞しい太腿に胴体を挟まれ、身動きを封じられつつあった。
(まずい。美子先生にドアに背中を向けさせないと)
美子先生の正面にドアがあると言うことは、安男と秋穂が突入出来ないことを意味する。
何としても、ベッド上で180度回転しなければ。
「ひぇぇぇ」
俺は早くもズボンの中に入ってきた手にオチンチンを握られながら、ジタバタ暴れた。
脚を振り回して、少しずつ少しずつ身体をずらしていく。
「さっさと諦めたら?」
「イタズラするなぁぁぁっ」
ズボンの中でオチンチンをグリグリ弄られるせいで集中出来ない。
でも何とかしなければ、このまま射精させられて作戦は失敗に終わる。
その現場を秋穂に見られるわけだから、当分の間からかわれ続けることだろう。
「ちくしょうっ」
「ほらほら、オチンチン見せなさい」
美子先生にパンツごとズボンを下ろされた。
俺と違って敵は余裕の表情である。
プルンと露出する俺のオチンチン。
情けないことに、ちょっと弄られただけなのに半勃ち状態だ。
それでもドアが視界ギリギリの位置に見えていた。
もう少しだ。
もう少し頑張れば最悪の結果は避けられる。
「うあぁぁぁっ」
オチンチンをグリグリしごかれながら、俺は必死で脚を振り回し続けた。
「うひっ!」
美子先生の指先で包茎の皮をたぐられて剥かれる。
このスケベ教師め。いったい何人の男子をオモチャにしてきたのか、実に手慣れた動きだった。
あっと思った時には亀頭部がズルンと剥けて、西日を浴びてテカっているのだ。
その状態で竿をゴシゴシやられると嫌でもオチンチンが勃ってしまう。
「ふふ、せいぜい抵抗しなさい。無駄だけどね」
親指と人差し指で輪を作るようにして包皮を押さえられた。
こうなると一旦剥かれた皮が自然に戻ることはない。
ヤバい、ヤバい。
俺は射精させられるわけに行かないのだ。
ドアの位置を確認すると、美子先生の斜め後方にあった。
もう行けるんじゃないか。安男、秋穂。頼むから早く来てくれ。
俺は歯を食いしばって脚を振った。
いや、もちろんクラスの女子にオチンチンを生で見られるのは恥ずかしいんだけれども。
ましてビンビンに勃起させられているわけだし。
それでも俺は引き受けた役割を果たして見せたかった。
ゴシゴシ。ゴシゴシ。
「うぁぁぁぁっ」
何の遠慮もなくオチンチンをしごき上げられる。
「さっさと射精させられちゃいなさい」
「い、嫌だっ」
ゴシゴシ。ゴシゴシ。
「しぶといわねぇ」
「くはぁぁぁっ」
カウパーが飛び始めた。
亀頭部が濡れてテカっている。
ゴシゴシ。ゴシゴシ。
早く来てくれっ。もう限界だ。
みんな、ごめん。
俺じゃ駄目だった。
その時。
絶望と悔しさで霞む視界の中に、忍び寄る秋穂の姿が見えた。
隣で麻袋を広げて構えているのは安男だろう。
「ひゃっ!?」
短い悲鳴が上がって、美子先生の手が俺のオチンチンから離れる。
まさに射精寸前。
間一髪のタイミングだった。
ゼイゼイ。
俺はベッドに仰向けに転がった。
鼓動に合わせてオチンチンがヒクヒク動く。
俺の目の前で、美子先生が頭に麻袋を被せられて引き倒されようとしていた。
安男が口を押さえており、くぐもったうなり声が響いた。
太い脚が乱れてスカートの中が丸見えだ。
ゼイゼイ。
俺も手伝わなくちゃ。
起き上がろうとすると秋穂と目が合った。
俺のオチンチンを指差しながら、『にっ』と笑ってサムズアップ。
何だよ、「チンポ見ちゃった」とでも言いたいのか。
恥ずかしくなった俺は、急いでパンツとズボンを引き上げた。
秋穂がベッドの上に剃毛器具やらバイブやらを並べて、美子先生の下半身を狙う位置にビデオカメラを設置する。
そして俺の耳元で「なるべくカメラを遮らないようにして」と囁いた。
準備は完璧なようだ。
安男が上半身担当で秋穂が下半身かな。
俺は暴れる美子先生のウェストに組み付いて押さえつけた。
「もがっ、やめふへほっ」
美子先生が何か叫んでいるが、安男に口を塞がれて言葉になっていない。
たぶん「やめなさいっ」とでも言いたいのだろう。
誰がやめてやるか。
これまでの屈辱、きっちり返させてもらう。
俺は腕に力を込めた。
「ナイス。アキオくん、スカート捲って押さえていて」
美子先生の身体を仰向けに押さえるのに成功すると同時に、秋穂が太腿に馬乗りになって下半身の動きを封じた。
「マンコ出すよ~」
去年あたりから、うちのクラスの女子は平気で「チンポ」「マンコ」といった単語を口にする。
そういう世の流れなのだろう。
男子の反応を窺って楽しんでいるフシすらある。
「オ、オッケー」
俺は言われるままにスカートの裾を思い切りたくし上げて握りしめた。
パンストに包まれた下半身の眺めは、さすがは大人の女と納得のボリューム感だった。
中学生女子では、こうはならないはず。
「もはっ、んひぃぃぃ」
美子先生は脱がされると察したようだ。
猛烈に抵抗するが、さすがに三人がかりで押さえられては為すすべがなかった。
秋穂がパンストと下着をまとめてつかんで、ズルリと膝の上まで引きずり下ろす。
ガクガク上下する腰をものともせず、力任せだ。
「うぉ……」
俺の目の前数センチに、毛の生えたマンコが露出した。
モヤッとした黒い陰りが狭い範囲に密集して生えていて、俺よりも恥毛が細いように感じられた。
モヤモヤの奥に深そうなミゾが透けて見える。
あまり濃い方ではないのかな。普通くらい?
秋穂が「思ったよりも薄い」と笑っているから、そうなのだと思う。
俺の頭の後ろから首を伸ばして美子先生の恥部を観察しながら、安男が「ほぉぉ」と変な息をついていた。
「そのまま押さえてて。最初に正面を剃っちゃうから」
「分かった」
秋穂がベッドに並べられた器具の中から電気シェーバーを取り上げた。
蜂の羽音に似たモーター音が響く。
秋穂が電気シェーバーを押し当てては、顔を近づけて散らばった恥毛を吹き飛ばした。
それを繰り返す度に、美子先生の恥毛が薄くまばらになっていく。
俺はスカートを押さえたまま、恥毛に隠れていた先生のワレメがクッキリと露わになる様子を眺めていた。
剃り跡が乱れているあたりがエロい。
射精寸前だったオチンチンがムクムクと反応し始める。
「取りあえず、こんなものかな。ワレメの下の方は股を開かせないとね」
電気シェーバーを置いた秋穂がシェービングスプレーを握った。
「小学生みたいにツルンツルンに剃ってやるんだから」
そう宣言して、美子先生のパンストと下着を片脚だけ抜き取る。
どうやって股を開かせたらいいのか。
美子先生の脚は太くて力がありそうだし、モロに蹴飛ばされたらタダでは済まないだろう。
もし秋穂が離脱してしまったら、俺と安男だけでこの豊満な女体を『料理』するのは難しそうだ。
「こじ開けるのか?」
「いや、大丈夫」
秋穂がベッドの上で膝をずって半歩下がった。
暴れる太腿の動きを見て、タイミング良く股の間に身体を割り込ませる。
そのまま前進すれば、労せずして美子先生の股が開くわけだ。
その体勢ならどれだけ太腿が暴れても届かず、蹴飛ばされる心配がない。
上手くやるものだ。俺は感心した。
「な、なんか手慣れてるな」
「そう? 何回かカイボウ現場見てるからね。それで覚えたんだよ」
「あー……」
カイボウとはパンツ脱がしのことだ。
うちの学校でもたまに『誰それが脱がされた』という噂が流れてくる。
俺は残念ながら、まだ女子がやられる現場を見たことはないけど。
「更衣室とかで悪ふざけしているうちに『脱がしちゃえ』ってなることが多いかな。年に何回かはあるよ」
「秋穂も?」
「あるよ。まあ、女の子同士だし」
そうか、秋穂もカイボウされたのか。
「生えてるかとか、オッパイの成長を見たいとか。やっぱ興味あるじゃん」
秋穂が笑いながら、美子先生のバタつく脚を持ち上げて「膝の裏に手を回して押さえて」と言った。
いわゆるまんぐり返しポーズだ。
「こ、こうか?」
「うん。これで脱出不可能なはず」
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