女子中学生に痴漢される女子大生

約9400文字
「もっと奥に詰めて下さい! そこの人、ドアの近くで止まらないで!」
 
 毎日のように繰り返されるラッシュ時間帯の光景。
 沿線に多くの学校が点在するその路線は、とりわけ午前八時過ぎの列車の混雑がひどい。
 始業にギリギリ間に合う通勤快速に、生徒たちが集中するせいである。
 
「無理しないで、次の電車にして下さい!」
 
 声をからして叫んでいるのはラッシュ時補助係のアルバイト、短大生の川尻絵里だ。ボブカットがよく似合う、ちょっと気の強そうな美人である。長袖カットソーにジーンズパンツ、それと大きく『アルバイト』と書かれた腕章を着けている。
 主な役割は、ある私立校の中等部の学生が乗る三両目の乗降補助と安全確保だ。生徒たちの背中を押して詰め込めるだけ詰め込み、ドアがちゃんと閉まったのを確認して緑の旗を上げる。
 その学園は女子校なので、お尻を触られたとか胸を触られたとか、面倒ごとを避けるために女性のアルバイトが配置されているのだった。
 
「ちょっと、そんな押さないでよ」
「まだ乗れるでしょう! そこの人、奥に入って!」
 
 川尻絵里が厳しい口調で叫んだ。仕事前に更衣室で同僚の女子大生と一悶着あったせいで、あまり機嫌がよくない。
 彼女が言うには、川尻絵里が担当する三両目は要警戒なのだそうだ。
 そんなの、言われなくたって分かっている。ガラの悪い生徒が多いことくらい、見れば分かることだ。
 下手に刺激しないこと、出来れば相手に触れないこと、何かされそうになったら迷わず大声を出すこと、そして全力で逃げること。
 相手の女子大生はホームに向かおうとする川尻絵里を引き止めて勧めるのだった。
 一番楽な路線担当のくせに、偉そうに口出ししないでもらいたかった。しかも同じことを言われたのは初めてではない。全くお節介な女だ。
 あの混雑の中で、電車が到着して発車するまでの短い間にちゃんと役割を果たすには、乗客の背中を押して詰め込むほかないではないか。そのために雇われているアルバイトなのだから。
 
「そこの人、止まらないでって言ってるでしょ!」
「うっさいなぁ、ばばぁ」
 
 そして中学生たちはさっぱり言うことを聞いてくれない。彼女たちの世界では、恥毛が生えたらもうばばぁなのだ。
 1回あたり2000円の報酬が高いのか安いのか。川尻絵里はこれだけ神経も体力も使うのだから、もう少し出してくれてもいい気がしていた。
 

 その朝、川尻絵里は茶髪のDQN生徒の一団に苦労していた。
 何度言ってもドアの近くにたむろして進んでくれないので、力業で詰め込むしかなかったのである。
 
「誰よ、そんなに押さないでったら」
「ドアが閉まりません、あと一歩中に入って下さい!」
「ちょっと、この人あたしの胸触ってるんだけど」
「いいから奥に入って!」
「ムカつくなぁ」
「ケンカ売ってるの?」
 
 川尻絵里は「こいつ、やっちゃう?」という声を聞いた。
 そしてそのまま、女生徒に手首を掴まれて車内に引き込まれてしまった。
 ホイッスルが鳴り、無情にも目の前でドアが閉まる。
 
「えっ、うそっ」
 
 自分が車内にいることが信じられなかった。ガラス越しに次の電車を待って行列を作る人々が見える。焦って外に出ようとするものの、一旦閉まったドアはびくともしなかった。
 
「ああっ、こんなの困るっ! 降ろしてっ!」
 
 電車が動き始めた。川尻絵里はドアのガラスを叩いて駅員に気付いてもらおうとしたが、背後から羽交い締めにされてしまった。

 
「剥いちゃえ、剥いちゃえ」
「ひっ!?」
 
 カットソーの裾から手を入れられ、乳房を握られた川尻絵里が息を呑んだ。
 複数の手にカットソーをたくし上げられながら身をよじる。
 
「乳でかいって。90はあるよ」
「マジ? あたしにも触らせて」
「やっ、やめてっ」
 
 混雑の中、ドアに押しつけられた身体は思うように動いてくれなかった。電車がどんどん加速し、ホームの景色が流れていく。
 ブラジャーを引っ張り上げられて乳房が露出したのが分かった。ドアのガラスが肌に直に当たって、ひんやりと冷たかった。
 
「は、離してっ」
「きゃはは、見られちゃえ~」
 
 ホームに立つ人たちが、生乳房をガラスに押しつけた娘を乗せた車両が過ぎていく様子を、ポカンと見送っていた。
 

「こっち向かせようよ」
 
 身体が半回転した。
 
「あ、あああっ」
 
 とっさに言葉が出ない。
 目の前にガラの悪そうな女子中学生たちの顔がいくつもあって、丸出しにされた乳房を品定めされているのだ。
 
「でかいし密度高いよね。しっかり張ってる感じ」
「釣り鐘型って言うんでしょ。揺れちゃって」
「でもさ、乳首埋まってない?」
 
 乳暈部分を無造作に摘ままれてしまい、「ひゃぁっ」と悲鳴を上げる口を塞がれた。
 
「声を出したら、周りに気付かれちゃうよ?」
「んんんんんっ!」
 
 埋没気味の乳首を両方それぞれに掘り出されながらもがく。
 
「お姉様、気持ちよ~くして欲しいでしょ。エロいこと好きそうな顔してるもん」
「あたしたちに任せてよ、アンアン言わせてあげるからさ」
 
 ぎゃはは、と下品な笑いが響いた。
 川尻絵里に逃げ場はない。次に快速列車の扉が開くのは、女子中学生たちが降りる二十分後である。
 
「んんっ、や、やめ……」
「あ、ちょっと乳首が膨らんできた」
 
 乳首を弄り回す手の一つも振り払えないのだ。このままイタズラされてしまったら……
 薄化粧の卵形の顔が屈辱に歪む。
 
「んひっ、くぅっ……」
 手首をドアに押さえつけられ、為す術もなく乳房を揉まれ放題に揉まれてしまう。
 そして下では同時進行でジーンズのボタンを外されていた。
 腰を引こうにも、すぐ後ろはドアなので身体が動いてくれない。

 
「んひゃっ」
 
 いきなりジーンズの中に手を突っ込まれた川尻絵里が慌てた。それも下着の中だ。
 
「生えてる、生えてる。でもちょい薄めかな」
「ひぇっ、くひっ」
 
 恥毛が生えた部分をまさぐられ、思わず変な声が出てしまった。
 茶髪娘がニヤニヤ笑いながら、指先で発毛範囲を確かめるように下着の中を動き回る。
 
「うん、マン毛薄いわ。奥の方はツルンとしてる」
 
 小娘の掌でマン肉全体を撫で回される。その間も乳房は揉まれ通しで、川尻絵里の脳は情報を処理しきれずにパニック寸前だった。
 
「マンコ見ちゃおうよ」
「オッケー、そっち引っ張って」
 
 ジーンズが下着ごとずるりと滑った。
 
「んんんっ、んんんっ!」
 
 脱がされる、脱がされる。
 川尻絵里は手が動かないので頭を振り立て、腰をよじって抵抗した。しかし一瞬後には下半身が涼しくなり、恥部を露出させられたことを思い知ることになる。
 どうしてこんな事になっているのか。もう何が何だか分からない。
 
「まだ一駅だよ~ん」
 
 不意に身体が半回転した。
 背中と尻を押されて身体の正面がガラスに密着する。
 川尻絵里が見たのは、通過駅のホームにあふれる人、人、人。
 悪たれたちが背後で「いぇ~い」と嬌声を上げていた。

 
「い、嫌っ!」
 
 裸を晒されてとっさに顔をそむけたが、すぐに頭を掴まれて前を向かされてしまった。
 ホームの人たちに自分がどのように見えていたのか、川尻絵里には知るよしもない。
 彼女の目には、みんながこちらに気付いているようでもあり、気付いていないようでもあった。
 そして電車が駅を過ぎると、また半回転させられて続きが始まるのだった。

 
「ひぇっ、駄目っ」
 
 川尻絵里は今更のように身体をまさぐる手とは別に、いくつものスマホのレンズが自分に向けられていることに気付いた。乳房の方を向いているレンズもあれば、下半身を狙っているレンズもある。
 
「撮らないでっ」
 
 しかし相手の腕一本振り払えずにマンコを撫で回されている身で、スマホのレンズから隠れる手段などあるはずがなかった。
 
「ひぃぃっ、嫌ッ!」
 
 川尻絵里の目が、真下から差し出されたスマホがマンコにくっつくほど近づいてシャッターを切る瞬間を捉えた。
そしてスマホが引っ込んでややあって、取り囲んでいる女子中学生たちの後ろから「スジマンくっきり」と笑う声が聞こえた。
 
「へぇ、なかなかの美マンじゃん、この人」
「そこ開けてよ、撮らせて」
 
 人垣の隙間から別のスマホが差し出され、レンズが向けられる。
 
「こうした方が良く見えるんじゃない?」
 
 恥毛を摘まんで引っ張っている女生徒に、恥丘部分を上にかき上げられた。
 そんな事をされたらワレメが丸見えになってしまう。
 
「やっ……嫌っ」
 
 腰を振り立てる川尻絵里だったが、ドアに密着しているせいで思うように動けない。
 
「ほら、こうされたらどう?」
 
 さらに、陰裂の頭を指先に引っかけられて持ち上げられた。
 むにゅう、と縦に伸びた陰裂に容赦なくシャッターが切られる。
 
「あはは、伸びる伸びる」
「駄目ぇっ!」
 
 中学生だからと侮れない。どうすればより屈辱的な姿になるか、ちゃんと理解した上でやっているのは明らかだった。
 
「ひぃぃっ!」
「きゃはは、このワレメ女。やらしい~」
 
 また笑い声が聞こえた。
 川尻絵里だって自分の局部が相手にどう見えているか、分からないほど鈍くない。でも動けないのだ。どうしようもない。
 
「見て、ちょっとクリ出てる」
「見せて、見せて。あ~、ワレメ引っ張られて剥けちゃったんだ~」
 
 勝手な事を言って笑うDQN中学生たち。
 
「離してっ、ひぃぃっ!」
「お姉様、気持ちよ~くしてあげるからね」
 
 ワレメを引き伸ばしている正面の茶髪娘が、川尻絵里の耳元で囁いた。
 
「な、何をする気なのッ」
「だから、気持ちよ~くしてあげるって言ってるじゃん」
 
 茶髪娘の指が、ズブズブとワレメの中に潜り込んできた。
 
「ひぃ、ひぃ、ひぃぃっ!」
 
 目を白黒させる川尻絵里。乳房がプルンと揺れた。
 陰裂の内側に潜った指が、『具』の収まり具合を確認するように動き回る。
 
「お姉様、あたしに任せて。学校でパンツ脱がし流行ってるからさ、そこらの男より上手なんだ」
 
 にっ、と笑う顔は中学生と言うよりも立派なアバズレ女だった。
 
「くぅぅっ!」
 
 指先が小陰唇をかき分けて膣穴の中に侵入してきた。とっさに力を込めて阻止しようと頑張ったものの、防御できるはずもなかった。たやすく奥まで入られてしまう。
 
「やっぱ、クリトリスから攻めた方がいいかな~」
 
 穴に指を入れられたまま、親指の腹でクリトリスのあたりを押された。
 少しずつ指をずらしながら、クリ豆の正確な位置を探ってくる。
 
「やめてっ」
 
 腰をひねり、尻を振って抵抗した。でも陰裂に潜った指も一緒についてくるので、状況は何も変わらない。
 
「もうちょい上。クリの頭出てるっしょ」
 
 後ろからスマホの画面を見ている女生徒が声をかけた。
 
「普通はこの辺なんだけど、上付きかな」
「んひっ」
 
 そしてクリトリスに触れられた瞬間にビクンと身体が反応してしまう。
 ここにクリトリスが埋まっています。そう白状しているのと同じだ。
 
「ここかぁ。見っけ……っと」
「ひぃぃっ! んんんんんっ!」
 
 たちまちその部分の包皮をめくられそうになった川尻絵里が悲鳴を上げ、口を塞がれた。
 
「だからぁ、騒いだらみんなに気付かれるって言ってるじゃん」
「んんんんんっ! んんんんんっ」
「あはは、クリ剥かれてめっちゃ焦ってる。目泳いじゃって」
「嬉しいよね、朝から気持ちよ~くしてもらえるんだよ」
「あひっ! んひぃっ!」
「たまにはクリちゃんも風に当たって涼みたいってさ」
 
 茶髪娘の親指の腹が、器用に包皮の切れ目部分を押し上げながら亀頭を露出させていく。
 クリ豆の位置を探り当てられた数秒後には、川尻絵里のクリトリスは陰裂の内側であらかた剥かれてしまっていた。
 そこを弄られたらまずい。大変にまずい。自分でも分かっているので、必死になって指先を振り払おうと尻を振る。
 茶髪娘の後ろから伸びる手に乳房を揉まれていたけど、構っている暇はなかった。
 そうしている間にも、浅く膣穴に入った指に入り口を擦られ、剥かれたクリトリスの根元を押されている。
 いったい、朝から下半身丸出しで何をされているんだろう。悪夢であってほしい。
 そう思っても、腰を中心にジワリと広がる快感が現実であることを告げていた。
 
「んんんんんっ!」
 
 性感神経のかたまりであるクリトリスを刺激されてしまったら……。持ち主にその気がなくても、刺激を受けたら身体が勝手に反応してしまう。
 
「見て、乳首がぷっくりしてきた」
「お姉様ったら可愛い顔してエロいこと大好きなんでしょ」
「もっともっと気持ちよくしてあげるからね~」
 
 川尻絵里のクリトリスはアーモンド型で標準よりも少し大粒だった。包皮も浅く被さっている感じだ。だから一旦探り当てられ、摘ままれてしまうとそれきり逃れる術がなかった。
 年下の小娘に弄られる悔しさと焦りと。様々な感情が交錯する。
 
「あううっ!」
 
 クリクリと指が動く度に、脳髄に強烈な刺激が送り込まれる。太腿のお肉がヒクヒク動くほどの快感だ。
 
「気持ちいいの我慢しちゃってる」
「無理無理。千紗にクリを見つけられたら終わりだよ。イカない女なんていないもん。一年坊主だって女教師だって、アンアン声上げるんだから」
 
 取り囲む女子中学生たちが川尻絵里の表情を観察していた。
 
「んんんっ!」
 
 冗談ではない。イカされてなるものか。
 この小娘、こういう事を繰り返している常習犯? 自分は耐えてみせる。川尻絵里は歯を食いしばって快感を押し殺そうと頭を振った。


 
「くっ、あうっ!」
 
 次の停車駅まであと何分かかるだろう。そろそろ半分は過ぎただろうか。
 また身体を半回転させられて裸晒しされた時、目に入った駅名に川尻絵里は絶望的な気持ちになった。半分どころか、三分の一にも達していなかったのだ。
 
「くふっ!」
 
 茶髪娘に転がされ通しのクリトリス。断続的な快感に、下半身が痺れてしまいそうだった。
 
「んひ……」
 
 好き勝手に弄られながら、川尻絵里はバイト中に痴漢されたOLさんを背負って、事務室に運び込んだことを思い出した。
 電車がホームに到着してドアが開いた時、下着とパンストを膝まで下ろされて腰が抜けていたから、一目で痴漢されたのだと分かる有様だった。
 こぼれ出た乳房が乳汁で白っぽく濡れているのを見て、どうしてこんなになる前に大声を上げなかったのだろうと思ったものだ。
 
「くぅぅぅっ!」
 
 大声なんか出せるはずがない。何としても周囲に痴漢されていたことに気付かれずに済ませたい。だから、次の駅まで耐え切るしかない。
 きっと、あのOLさんも同じように考えたのだ。その結果があの姿……。

 
 快感で目の前がチカチカした。
 
「んふ……」
 
 脇から伸ばされた指が陰裂の中に潜り込み、柔らかい部分をまさぐり始めた。
 穴に指を入れられてしまう。川尻絵里は不埒な指先の意図に気付いたものの、避ける術がなかった。
 
「ひぃぃっ!」
 
 侵入してきた二本の指先が膣穴の中を動き回り、快楽信号を増幅させる。
 クリトリスを弄られて一杯一杯のところに指入れだ。身体がピクピク震え、脚が開き気味になるのを抑えられない。
 
「ああん、イッちゃいそう」
 
 茶髪娘に笑われた。同性相手に焦りを誤魔化すことは難しかった。
 剥かれたクリトリス亀頭を摘ままれたり押されたり揉まれたり。陰裂から引っ張り出された小陰唇が片方、伸びて突っ張っていた。
 
「お姉様、アヘっちゃっていいんだよ~?」
 
 片時も女性器を弄くる指先が止まることはなかった。何か別のことを考えて気を逸らそうとしても、強烈な快感に意識が現実に引き戻されてしまう。
 
「乳首立ってるじゃん」
 
 言われるまでもなく、複数の指先に転がされる乳首は固くしこっていた。先端がかすかに湿っており、乳汁を垂らし始めるのは時間の問題と思われた。
 
「気持ちいいくせに」
 
 乳暈を指先でくるくるなぞられた。前屈みに防御しようとしても、身体を強制的に起こされる。
 膣穴と乳首とクリトリスと。何本もの手に女体をまさぐられ、誰に何をされているのか訳が分からない。
 早くクリトリスを弄くる指先から逃れなくては。まずい、まずい。
 
「ほらほら」
 
 乳首を摘ままれた体勢で身体をひねって抵抗したので、乳房本体だけがタプタプ揺れた。
 
「駄目ッ」
「気持ちいいでしょ。ねぇ?」
「離してっ」
「もう、やせ我慢しちゃって。ちょっと前開けて」
 
 茶髪娘がひしめく人垣を押しのけ、川尻絵里の前にしゃがんだ。川尻絵里からすると、茶髪娘の姿が急に消えたような感覚だ。
 クリトリスへの刺激が収まってほっと息をついたのも束の間、正面から陰裂を押し広げられて包皮をつるりとめくられてしまった。そして片手でクリトリス亀頭を摘ままれ、もう片手で裏筋の部分をくすぐられ始めた。
 
「ひぃぃっ……んんんっ!」
 
 思わず声が出てしまい、また口を押さえられた。
 
「んひぃぃぃぃぃぃっ」
 
 電気に触れたみたいな快感だった。反応を抑えるなんて無理だ。
 もがく腰が前後に揺れて、マンコが茶髪娘の顔面にくっついたり離れたり。
 
「ふふっ、効いてる効いてる」
「んあぁぁぁぁぁっ」
 
 腰が抜けかけて沈みそうになる身体を、複数の腕に引き起こされた。爪先が床から浮いて脚が勝手に開いてしまう。
 イカされる、イカされる!
 強烈な快感に慌てた理性が警告を発するが、肉体が言うことを聞かなかった。その理性もたちまち大波にのみ込まれて引っ込んでしまう。


「あっ、あっ、くはぁっ!」
 
 プルンプルン。朱がさしかけた乳房が揺れた。
 開いた脚が不規則にビクンビクンと震えながら突っ張る。
 ずいぶん頑張ったつもりだったが、茶髪娘がしゃがんでから一分と経っていなかった。
 
「んはぁぁぁぁぁっ!」
 
 もう限界だ。そう思った瞬間に身体中が痺れるような快感に声が出てしまった。目の前がチカチカする。
 
「イッた?」
 
 生意気盛りの小娘たちが、川尻絵里の表情をじっと見つめていた。
 
「はぁっ! んはぁぁぁっ!」
 
 クリトリスの裏筋はくすぐられたまま。
 断続的に送り込まれる快感で手一杯の脳髄が、川尻絵里の思考を停止させてしまっていた。
 
「くはぁっ! んひっ!」
 
 イッた瞬間は苦悶の表情に似ていた顔つきが、次第にだらしなく緩んでいく。
 口角からよだれの糸が垂れた。
 誰が見てもごまかしようもない『イキ顔』だ。






「イッてる、イッてる」
「ほら、瞼がヒクヒクしてる」
「くはぁぁっ! んひぃぃぃっ!」
「あははっ、裏筋くすぐりには耐えられなかったね~」
 
 天井を仰いで白目がちになった顔を小娘たちが観察して笑う。
 年上のお姉様をイカせた茶髪娘が「本気になったらこんなものよ」と得意顔を見せた。クリトリスを刺激する指先は動き続けたままだ。
 
「んはっ! くはっ!」
 
 圧倒的な快感だった。イカされて悔しいとか、恥ずかしいとか、考える余裕なんかなかった。肉体が勝手に反って声が出てしまう。
 
「女の快楽はこれからだよ~ん」
 
 しゃがんだ茶髪娘が川尻絵里の女体を見上げて口元をゆがめた。剥いて押さえたクリトリス亀頭に狙いを定めて顔を近づける。
 
「んひっ!」
 
 茶髪娘の鼻先が陰裂の内側にズブズブめり込んだ。舌先でターゲットの肉芽に当たりを付けて口をすぼめる。
 
「んはぁぁぁぁぁっ!」
 
 イッた状態のままクリトリスに吸い付かれた川尻絵里の脚が、さらに広がった。
 浮いた身体を支えられ、脚を拡げた姿はやじろべえのよう。イカされた女体が重心を失ったかのように前後左右に揺れる。
 
「んひぃぃぃっ!」
 
 川尻絵里に出来ることは、イキ続けることの他に何もなかった。
 陰裂から吸い出される亀頭部を震源に猛烈な快感が脳髄に送り込まれ、処理能力オーバーで意識が飛びそうになる。
 
「すご~い、指が食べられちゃいそう。締まる、締まる」
 
 膣穴に指を突っ込んでいる小娘が笑った。
 乳首担当の女生徒が「乳汁出てきたよ」と興奮している。
 
「ほらヨダレ、ヨダレ」
 
 誰かにティッシュで口元を拭われた。
 
「どう? 濡れてきた?」
 
 膣穴に指を突っ込んでいる女生徒に代わって、川尻絵里の身体が自ら答えた。クチュクチュ。湿った音が聞こえ始める。
 言うまでもなく、女が膣穴を掻き混ぜられる音だ。


 決壊した『女の泉』が、止めどもなくお汁を溢れさせる。
 淫汁が湧き出ては膣穴の周りを白く染め、一部は太腿を伝い、一部はポタリポタリと床に垂れ落ちた。
 川尻絵里は何も見えず、何も分かっていなかった。
 どの辺りを走っているとか、あとどのくらいで駅に着くとか、もうそんな事はどうでもいい。それ以前に、自分が痴漢されていることすら飛んでしまっていた。
 ひたすらクリトリスを吸われる快感に丸呑みされて喘ぎ狂う。
 
「きゃはは、このお姉様ったらエロい、エロい」
「もっと吸ってやりなよ」
「くはぁぁぁぁぁっ!」
 
 口を塞ぐ手が邪魔だとばかりに首を振りながら、声を張り上げる。
 声を出したら他の乗客に気付かれる? それもどうだっていい。
 気持ちよくて、気持ちよくて、気が狂ってしまいそう。
 
「あはぁぁぁっ! ひぃぃぃぃぃっ!」
 
 川尻絵里の太腿がビクンビクンと震えた。
 
「おおっと危ない」
 
 茶髪娘が頭を引くと同時に、川尻絵里が失禁した。
 大量の失禁だったが、誰かの指に尿道口を押さえられていたので飛び散ることはなかった。
 股間の真下の床に、みるみる大きな水たまりが出来て広がる。
 淫汁と小水が混じった、まだら模様の水たまりだ。
 そんなものにスマホのレンズを向けて喜んでいる女生徒もいた。
 
「あ~あ、失禁するわ、乳は噴くわ」
 
 茶髪娘が笑いながら陰裂に指を差し入れて、失禁中もお構いなしにクリトリスを転がした。
「一丁上がり」と、勝ち誇る。
 川尻絵里は『女の泉』決壊と同時に乳汁も出てしまい、大きな乳房が両方とも乳まみれでテカっていた。


「あひぃぃぃ、あぁぁぁぁぁぁっ!」
 
 みだらな声が響く。
 周囲の乗客はずいぶん前から痴漢騒ぎに気付いて注目していたが、離れた場所の乗客も、この声でどこかに陥落させられた哀れな娘がいることを知った。
 何回イッたか数え切れない。と言うか、ほとんどイキっ放しだった。
 イッて、イッて、イキまくって、何も分からなくなって、それでもなお川尻絵里はイカされ続けて気を失った。


 いつ失神したのか。
 川尻絵里は、イッてしまった後のことは何も記憶になかった。
 目を覚ました時には、駅の事務室の隣にある仮眠室に横たえられていたのだ。
 誰にどうやって運ばれたのかも、当然分からない。
 失禁とお汁でびしょ濡れの下着とジーンズは脱がされ、裸の下半身にタオルが掛けられていた。
 ミルクの匂いのする見覚えのあるブラジャーが枕元に無造作に置かれていて、カットソーの下はノーブラだった。

 自分は女子中学生たちに痴漢されて惨めにイカされたのだ。そのことは分かっていた。
 
 
 
「大丈夫ですか?」
 
 しばらくすると、見覚えのあるアルバイトの子が哀れむような目つきで声をかけてきた。
 
「……」
 
 きっと痴漢された自分を見に来たに違いない。
 川尻絵里は黙ったままそっぽを向いた。
 
「だから忠告したのに」
「……」
「まあ、別にいいですけど」
 
 彼女は川尻絵里の返事を待たずに奥に行ってしまった。
 ノロノロと起き上がって頭を振る。
 立ち上がろうとすると、大陰唇に挟まれたクリトリスに圧力がかかって、ツンと快感が走った。
 
「う……」
 
 まだ駄目だ。仕方なくまた横になる。
 刺激に触発されたのか、乳首までトクントクンと脈打ち始めた。
 いい加減にしてとばかりに眉をひそめ、カットソーを引っ張って乳首との間に隙間を作る。
 ああそうか、あれは今朝更衣室で気をつけるように注意してくれた子だ。川尻絵里は唐突に思い出した。
 ずいぶん熱心だったけど、あの子も同じ目に遭ったのかもしれない。
 きっとそうだ。そうであって欲しい。
 
「……」
 
 それにしても、気が狂いそうな快感だった。あんなの、経験したことがない……。
 心はともかく、肉体はまだ快感の余韻を引きずっていて、ちょっとしたきっかけで暴走してしまいそうだ。

 川尻絵里は、肉体が蜜の味を覚えてしまったことを自覚してうろたえるのだった。